たまに質問を受けます。若い人や、お父さん・お母さんでも知らない人がいらっしゃるようですので、あらためてここで説明しておきます。
みなさんが食事で食べている白い「ごはん」は、お米(コメ)を炊いた(たいた)ものです。
お米はイネという栽培植物の種子です。
イネの中には、畑(水のない耕地)で作られる陸稲(りくとう。おかぼとも言う)という種類もありますが、現在の日本ではイネはほぼ100%水田(すいでん。水を張った耕地のこと。田んぼとも言う)で栽培されます。
画像は稲穂(いなほ。イネの穂)です。穂についているひとつひとつが籾(もみ)です。籾がイネの種子です。籾やそこからさらに食用に加工したものをお米と呼びます。
画像は右上が籾(もみ)、左上が玄米(げんまい)、白米(はくまい)です。
イネを収穫後に、機械を使ってイネの穂から籾をはずします。これを脱穀(だっこく)といいます。籾をはずした残りの部分、つまりイネの葉や茎を乾燥させたものが藁(わら)で、ヒモや農業資材の材料となります。
さらに機械を使って籾の中に入っている可食部を取り出します。この中身の部分を玄米といいます。玄米を取り出したあとの籾は籾殻(もみがら)といいます。これも農業資材や緩衝材として使われてきました。
玄米の状態では食味が悪いので、玄米の表面を少し削って白くします。この作業を精米といい、白くしたお米のことを白米(はくまい)や精米といいます。皆さんがお店で買って炊飯器で炊いて食卓で食べているのは、この白米(精米したお米)です。精米することを「お米をつく」と言ったりします。大昔は、玄米を容器にいれて上から棒で突いて精米していたので、その名残りかと思われます。
玄米から精米するときに出てくるカスは「米糠(こめぬか、ぬか)」と言います。米ぬかはお漬物(ぬか漬け)のぬか床としても使われます。米ぬかにはビタミンBや植物繊維などが豊富なので、玄米そのものを食べるのも健康食として人気があります。玄米はぬか臭くてまずいという人もいますが、玄米をよく知っているプロの調理人が炊いた玄米はおいしいですよ。
いろんな用語が出てきましたので、まとめとしてイネから白米までの流れの図を示します。
精米した白米より玄米のほうが保存性がよいので、農家は自家消費用のお米を玄米で保管しておき、使うつど精米します。自宅で小型の精米機を使う農家もいますが、大きい精米機のほうがおいしくつけるということで、コイン精米機を使う農家も多いです。コイン精米機は地方に行けばどこにでもあります。平塚市内にも何か所かあります。精米機は米のつきかたの調節ができますので、無洗米に近いところまでついたものから、軽くついて玄米に近いものまで作れます。
お米そのものの種類としては、もち米・うるち米、日本で栽培されている短粒種・海外で栽培されている中粒種・長粒種などの違いもあります。さらに「コシヒカリ」や平塚で育成された「はるみ」など、イネの品種もたくさんあります。
新聞などは、お米を「コメ」とカタカナで書いたりしますが、これは「米」と書くとアメリカ合衆国(米国)と区別がつかないからだそうです。
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